脱力で生きていくためのブログ

プログラマーの雑記になります。書評多し。技術少なし。

DESIGNEASTでドミニク・チェンさんと港千尋さんの話を聞いてきた。

DESINEAST 07の3日目にドミニク・チェンさんと港さんの対談があった。

 

 DESINEAST 07のメインテーマである「移動」に対して、ドミニク・チェンさんと港さんの簡単なプレゼンテーションがあった後、二人の対談が行われた。

 

ドミニク・チェンさんのプレゼン

 

ドミニク・チェンさんはベトナム人と台湾人の血を引いており、日本で育ったフランス人であり、そういった意味でドミニク・チェンさん自身は特定の国に強いアイデンティティーを持っていないらしい。

 

こういう事象は、人々が物理的に移動したために生じたことに起因する。

 

人々の移動により、遺伝子の交わりを生じさせ、遺伝的多様性が生まれる。

 

また、物理的な移動は昔から行われていたが、文明が開化されるにつれて、この移動は活発になっている。

 

この物理的な移動によって生じる遺伝的多様性をドミニク・チェンさんは物理的代謝(Gene)と呼ぶ。

 

一方で、移動によって生じるのは物理的代謝だけではなく、心理的代謝(Meme)も生じるとドミニク・チェンさんは言う。

 

ここで、心理的代謝とは人々の価値観や思想思考が移動によって変化することを言う。

 

このような心理的代謝や物理的代謝はコミットメント(負荷)を増やすことによって、つまり、移動量を増やすことにより活発化する。

 

そのため、この心理的代謝も物理的代謝と同様に、文明化によって活発になってきている。

 

さらには、情報化が進んだことにより心理的代謝は物理的代謝を伴わずに活発になっている。

 

情報化社会では心理的代謝の移動量のみが増大化していき、物理的代謝が少なくなるかもしれない。

 

人々の移動のような物理的移動では、人それぞれの主観的な価値観が重視されがちあるが、情報化社会の心理的移動では、実際の体験ではない仮想的な情報を人々は再結合し、心理的代謝を行うことになる。

(ドミニク・チェンさん曰く、仮想的な情報には本や講演なども入る。)

 

このように、自らには無い価値観や情報を取り込むことによって、オルタナティブでない(二者択一ではない)空間が生まれていき、現実を見るときの解像度が上がる。

 

つまり、多様な価値観で世の中を見ることができ、他者の価値観を受け入れるようになる。

 

 

港千尋さんのプレゼン

 

港千尋さんは、現在開かれている愛知トリエンナーレのキュレーターを務められていることもあり、そのトリエンナーレで招待されている作家の紹介が主であった。

 

以下が紹介された作家である。

・ニコラス ガラニン(アメリカアラスカの先住民)

・タロイ ハヴィニ(パプアニューギニアの先住民)

・ノミン ボルト(モンゴル人)

 

彼らは身体的には民族性が強い作家であるが、彼らは自らの暮らした地域から他の地域へと活動の場所を移している。

上記の作家たちは、移動が状態となり、身体性のアイデンティティーは残したままで、精神性のアイデンティティーが移動先での価値観と刷り合っていく。

 

彼らはそのような中で、作品を創りだす作家たちである。

このように、現在では様々なアイデンティティーを抱えた上で、それを力に変えて作品を作る作家が多くなりつつある。

 

 

 対談内容

(誰の発言かは忘れてしまいました。。)

 

モンゴルの遊牧民には所有の概念が無い。

一方で、我々は所有という概念を持ってしまっており、単一スペクトルの中で生きてしまっている。

つまり、所有するかしないかというオルタナティブな(二者択一)の世界で生きてしまっているのである。

 

こういった自らが持たない価値観を拒絶する動きが移動により活発化しているのも事実である。

 

それは移民問題である。移動により死が生まれている。

 

テロのような死に直結する問題だけではなく、トランスマイグレーションという帰化か戻るかではなく、住んだ地域に疎外感を感じてしまい、移民を重ねてしまうという問題もある。

 

このような物理的移動に伴う疎外感を、情報化により家族のような心理的接触を作る仕組みが必要かもしれない。

 

これらは、離散的な思考で(二者択一の価値観で)世界が作られてきた弊害である。

これからは包括的な思考で(多くの価値観があることを良しとする思考)で世界を作っていく必要がある。

 

紹介された本

 

貧困旅行記 (新潮文庫)

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 ドミニク・チェンさんがドゥルーズを引用していたが、この辺の本だったような。。

インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践

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フリーカルチャーをつくるためのガイドブック  クリエイティブ・コモンズによる創造の循環

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紹介はされていないが、Memeといば 

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