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脱力で生きていくためのブログ

プログラマーの雑記になります。書評多し。技術少なし。

書評:「建築」で日本を変える(伊東 豊雄)

建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を授賞したこともある日本を代表する建築家の1人である伊東豊雄さんの著書です。

最近では色々と問題があり、コンペがやり直しになった新国立競技場の2回のコンペにも参加されたことでも有名です。

そんな伊東豊雄さんが建築を通して、日本を変えようとしている活動を紹介しているのが、『「建築」で日本を変える』になります。

その伊東豊雄さんの活動を、簡単にいえば、『都市から地方への回帰』です。

おそらくですが、伊東豊雄さんは3.11東日本大震災という未曾有の大震災を経験されて、地域への回帰へと向かわれているのだと思います。

 

その時に感じられたのは、資本主義社会の限界だと思います。

大量消費大量生産のうえに、成り立つ社会の不安定さは原発事故で、私たちは目の当たりにしました。

そこで、資本主義に変わる価値を伊東豊雄さんは建築を通して、日本を変えようとされています。

 

今回紹介されている伊東豊雄さんの活動は、愛媛県「大三島」・長野県「松本」・茨木県「水戸」といったものになります。

伊東豊雄さんが、地域性を大切にして、上のような活動をされていることが『「建築」で日本を変える』を読むことで分かります。

地域性とかヴァナキュラーといった言葉は建築家にとって、使い勝手がいい言葉です。

しかし、そういった言葉を使う建築家は地域との関わりがあるというわけではなく、地域の方々の気持ちが決して重んじられていない建築が建つことが多いです。

伊東豊雄さんのように地域と密着して、建築を建てるような作家は、資本主義社会の限界が近づいている日本においては必要とされてきます。

 

最近の伊東豊雄さんの活動は、世界的にも求められていることです。

例えば、イギリスで美術家に与えられる最も栄誉ある賞の1つであるターナー賞は、2015年にAssembleというコミュニティーデザイン集団に与えられました。

彼らの活動は、伊東豊雄さんの活動に通じるものがあります。

それは、地域性を大事にするということです。

Assembleには建築家も参加しているので、彼らは建築も建てます。

しかし、その地域性を大切にして、要らない建築は建てないらしいです。

 

伊東豊雄さんの活動も同じです。

地域に必要なものを無くし、消え失せたものや必要なものを最小限に創造されています。

これからの日本では、こういった活動が徐々に必要とされてきます。

作ることへの限界を感じている人は多く存在しています。

 

しかし、個人的は資本主義が完全になくなるとは思えないです。

そういった都市性と地域性とをオルタナティブに考えることが大切になってくるのではないかと思います。 

 

「建築」で日本を変える (集英社新書)

「建築」で日本を変える (集英社新書)

 

 

以上