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脱力で生きていくためのブログ

プログラマーの雑記になります。書評多し。技術少なし。

書評:資本主義の終焉と歴史の危機 (水野 和夫)

Book review

「資本主義の終焉と歴史の危機 」という題名の通り、資本主義がいかに限界が近づいているかが書いてある一冊です。

 

この本を読み、「富める者はますます富み 貧しき者はますます貧しくなる」という言葉を思い出しました。

「富める者はますます富み 貧しき者はますます貧しくなる」は、マタイによる福音書に書かれている言葉です。

マタイの福音書は、紀元50年ぐらいに書かれた本です。

つまり、資本主義が無かった時代からある言葉です。

 

確かに、資本主義は徐々に限界に近づいているのかもしれません。

資本主義の下、世界中で「富める者はますます富み 貧しき者はますます貧しくなる」という現象が進行しています。

歴史的に見ると、貧富の格差が大きなる社会では国家の転覆などが起こり、価値観が大きく変わります。

そういった意味でも、資本主義は終わりに近づいているかもしれません。

 

しかし、戦後の日本では資本主義の下で貧困と格差を脱出し、先進国になりました。

この事実は資本主義にいくら欠点があろうと、変わりません。

だから、今までの資本主義が正しくなかったというよりは、資本主義が限界であるというほうが正しいです。

そのあたりは、この本の中では中心と周辺という言葉を使って論じられています。

 

また、この本の特徴としては、歴史的なものから今の資本主義を論じていることだと思います。

なるほどなと思う反面、現代のデータが足りない点は少し気になりますが。

確かに「富める者はますます富み 貧しき者はますます貧しくなる」という社会が到来しているのは分かります。

それでも、そのデータは欲しかったです。

 

ここからは書評とはあまり関係ないですが、この本を読むと、ピケティ氏のすごさが際立ちます。

データを用いて、資本主義の限界を示したピケティ氏はすごいです。

 

話を戻しますが、「資本主義の終焉と歴史の危機」は確かにピケティ氏のようにデータを用いて議論されていないという点では残念なところはあります。

しかし、歴史的事実を踏まえて、資本主義を論じられているところ非常に興味深いです。 

特に、ゼロ金利下の過去と現代での比較は、他の本ではあまり見ない記述であったので感心させられました。

 

ぜひ今の社会に限界を感じておられる方は、「資本主義の終焉と歴史の危機」を読んでみてはいかがでしょうか?

 

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

 

 

以上