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脱力で生きていくためのブログ

プログラマーの雑記になります。書評多し。技術少なし。

書評:人間の経済学(宇沢弘文)

2014年9月に他界された宇沢弘文さんの講演やインタビューをまとめたのが、この「人間の経済学」になります。

なので、この本の帯にはデカデカと「未来へのラスト・メッセージ」と書いてありますが、宇沢弘文さんの最後の言葉が書かれた書物というわけではないので注意が必要です。

宇沢弘文さんは、数学科出身なのに何を思われたのか経済学の道に進まれるという特殊な経歴の持ち主です。
経済学の道に入られたあとの業績は素晴らしく、ノーベル経済学賞の候補であったとも言われています。

 

そのため、この本に出てくる経済学者は、ノーベル経済学賞受賞者のような著名な方ばかりです。

例えば、フリードマンやスティグリッツなどなど。

 

このようなノーベル経済学賞の受賞といえども、この本の中での扱いはマチマチです。

宇沢さんはフリードマンを酷評し、スティグリッツを絶賛されています。

 

まぁ、フリードマンは金の亡者と化した経済学者なので、酷評されるのは至極当然です。

政府の介入を無くし、企業がお金を稼げば、経済市場は安定し、社会の安定につながるみたいな市場原理主義は、弱者をないがしろにするロクでもない考え方です。

そして、フリードマンに代表するような市場原理主義の考え方を日本は経済政策に取り入れてきました。

 

代表的なものは、小泉総理時代の改革でしょう。

経済が成長する政策を取るのは当然ですが、明らかに社会への還元が少なすぎました。

現在の貧困と格差の問題は、そのころの経済政策、社会政策に起因していると言えるでしょう。

その辺りの問題点もこの本で宇沢さんが舌鋒鋭く、語られています。

 

炭素税の導入等など個人的には同意できかねるところはありましたが、宇沢さんの思想や知識に触れられる良本でした。

宇沢さんが書かれた本を読み始めるなら、間違いなくこの本から読むべきです。

難しい経済用語もほとんど無く、わかりやすい内容になっています。

 

では、この本で書かれていた名言を1つ。

 

笑われるかもしれませんが、これは案外大事なことで、教授や学生が「社交的な飲み物」であるビールを飲みながら語り合うような場は近所にないといけない。

 

 

人間の経済 (新潮新書)

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以上